いびき・無呼吸外来

日本の潜在患者数は300~900万人!!!! “いびき”は、無呼吸への第一段階

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS:サス)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
日本のサス潜在患者数は300〜900万人にも達すると推計されていますが、寝ている間の無呼吸には、本人はもちろん、周りの人もなかなか気付くことができないために、検査を受けて治療をしているのは、わずか50万人程度にすぎません。
サスには様々な病態がありますが、上気道(鼻から声帯までの間)のどこかが閉塞して窒息状態になる 閉塞性無呼吸 が大多数を占めます。上気道が閉塞する前段階で発生する音が“いびき”です。
“いびき”は、良く寝ている証拠ではありません。特に、周りの人が迷惑だと感じるたり、隣の部屋でも聞こえたりするような“いびき”をかく人は要注意です。

サスの特徴は!?

マスコミでは、太った中年男性で居眠り運転をくり返すような眠気の強いサス患者が話題になりますが、これまで病院で検査を受けてサスと診断された患者さんの4割は太っていませんし、半数以上の患者さんは“昼間の眠け”を自覚していません。また、痩せた患者さん・若い患者さん・女性の患者さんも少なくありません。

サスは、何故怖いの!?

寝ている間に生じる無呼吸は、ごく短時間(十数秒)目が覚めることによって、終わります(呼吸を再開します)。ですから無呼吸のたびに目が覚めているのです(一晩に50回無呼吸がある人は50回目が覚め、300回無呼吸がある人は300回目が覚めていることになります)が、目が覚めている時間は短いので、本人は憶えていません。ただ、一晩の無呼吸が多い人は、目が覚める数も多いので、良い眠りが取れないことになって、昼間も眠くなってしまうのです。たっぷり寝てもすっきりしなかったり、昼間疲れやすいなどの症状を訴えたりするサス患者さんもいます。
サスのもう一つの問題は、無呼吸の時間が長い(1分以上呼吸が止まることも有ります)と、酸欠(低酸素)状態になるので心臓や脳などに大きな負担をかけることです。本来、睡眠は日中活動した身体を十分に休息させるためのものですが、サス患者さんは睡眠中も心臓が頑張っています(睡眠中には低下するはずの交感神経の活動が活発になって、血圧や脈拍が上がります)。

まずはサスの検査を受けましょう!?

サスは、自覚症状がない高血圧症や高脂血症などと同じで、検査を受けて初めて異常が発見されることがとても多い、生活習慣病の一つです。
睡眠時無呼吸はまさに寝ている時に出現する病態ですので、高血圧症や高脂血症と異なって昼間の検査では診断できません。無呼吸の程度を自宅で検査する方法(簡易無呼吸検査:保険適応で自己負担は5,000円程度)を受けていただきます。正確に診断するために、1晩入院してPSG(Polysomnography: ポリソムノグラフィ)検査が必要になることもあります。
ご家族や友人・同僚などからいびきや居眠り、寝ている間の無呼吸を指摘されたら、簡易無呼吸検査を受けてみましょう。

外来診療日

医師紹介

佐藤 さとう まこと
経歴
  • 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 教授
  • 守谷慶友病院 睡眠時無呼吸外来 医師

睡眠時無呼吸動画公開開始

佐藤誠医師が「睡眠時無呼吸とは?」「睡眠時無呼吸の治療方法」などを学会発表のデータから抜粋して公開をしております。

動画を見ながらの説明は非常にわかりやすいため、是非ご覧ください。
自覚症状がある方も無い方も、きっとためになると思います。

当院では「ナステント」の指示箋を発行しております。
詳しくは担当医までご相談ください。