カテーテル装置
概要
カテーテル治療は、外科手術と比べて傷口も小さく、体への負担が非常に小さい低侵襲的な治療と言われています。また時代とともに、装置本体だけでなくカテーテルやステントなど様々な治療に用いる機器が進歩しており、対象となる疾患や患者さんが年々増加している治療法になります。
手首や足の付け根にある動脈(あるいは静脈)から直径2~3mm程度のシースと呼ばれる管を挿入し、さらにカテーテルと呼ばれる長い管を病変のある目的部位へ運び撮影を行います。血管そのものは放射線で視認できないため、造影剤と呼ばれる薬剤をカテーテル内に注入し血管を画像化しながら手技を進めていきます。
検査機器の説明
2022年4月にカテーテル室を新設し、
Philips社製Azurion 7 B20/15を導入しました。
従来の装置と比べ、被ばく線量を抑えつつ高画質な画像を得ることができ、バイプレーン方式(2方向より同時撮影可能)を採用しているため、少ない造影剤での撮影が可能です。
入射したX線を電気信号に変換し画像化するFPD(フラットパネルディテクタ)は正面20インチ側面15インチと広い視野を確保でき、頭部~足まで全身の検査・治療が可能となっています。
カテーテル治療は、各診療科の医師、放射線技師、臨床工学技士、看護師が一つのチームで行います。
当院では、予定の術前は全例、当日の治療の流れや使用する機器などの情報共有を行っています。
チーム一丸となり患者さんにとって安全かつ苦痛の少ない治療を提供できるよう治療に臨んでいます。
過去3年間のカテーテル室で実施された主な治療実績(緊急含む)
| 脳神経外科 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 脳血管内手術(コイル塞栓術) | 7 | 8 | 7 |
| 経皮的脳血管形成術 | 0 | 1 | 6 |
| 経皮的頸動脈ステント留置術 | 19 | 37 | 18 |
| 経皮的脳血管ステント留置術 | 8 | 7 | 11 |
| 経皮的脳血栓回収術 | 7 | 10 | 9 |
| 穿頭血腫ドレナージ術 | 6 | 11 | 12 |
| 血管外科・放射線科 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
| 経皮的血管形成術(EVT) | 16 | 24 | 18 |
| 経皮的血管塞栓術 | 1 | 4 | 5 |
| 肝動脈化学塞栓術(TACE) | 2 | 1 | 5 |
また、当院は一次脳卒中センター(PSC)の認定施設となっています。
脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり,詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。
近隣病院と連携し、24時間365日脳卒中の受け入れ可能な体制を整えています。