「ふらふら日記」 一覧
物事はすべてデザインから始まると私は確信しています。
形あるものだけでなく、思考、将来ビジョン、云々すべてデザインで決まるのではないでしょうか。
家具、車、オーディオ、食器、などなど、私のテイストにマッチするデザインであれば可能な限り手に入れたい・・・が、しかし予算、家の広さの限界でほとんどが実現していない。ああ残念、世の中うまくいかないものです。
といってもデザインマガジンの中で、ああこんなデザインは最高だな・・・と夢想するのは自由ですよね。
スティーブ・ジョブズは今さら紹介するまでもなく、アップルマッキントッシュコンピューター、iPhoneなどの画期的で私たちを熱狂させた電子機器(ガジェット)の開発者です。彼はAppleから製品を世に出す際にとことんデザインにこだわり、
“Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.”
デザインは見た目や感触だけではない。 デザインはそれがどのように機能するかだ
と述べています。
彼は伝説のデザイナー、ジョナサン・アイブと組みiMac, MacBook, iPod, iPhoneなど、現在私たちの日常生活の相棒としてなくてはならない楽しいガジェットを次々に生み出しました。
Apple本社「Apple Park」はカリフォルニア州クパチーノ市アップル・パーク通り1番地に71ヘクタールもの広大な森のように広がっています。その広大なParkにはAppleのデザインへのこだわりが溢れています。このParkに日本製の椅子が数千脚も使われている(正確な数はAppleが公表していない)のをご存じでしょうか。それが「HIROSHIMA」なのです。
日本を代表するデザイナー、深澤直人が生み出した椅子「HIROSHIMA」は優美な曲線で構成され、木目が美しい。この椅子は、2023年の広島サミットでも、テーブルとともに首脳会談で使われました。
この日本を代表する椅子を製造しているのが、広島の家具メーカー「マルニ木工」です。じつは「HIROSHIMA」が誕生したとき、同社は倒産寸前だったのです。地元広島の企業や金融機関の支援でかろうじて命脈をつなぐなか、創業家である山中一族の三代目は、深澤直人と組んで世界に打って出る決断を下しました。それが奇跡の椅子「HIROSHIMA」なのです。
そんな起死回生のプロジェクトを支えたのは、これまで培ってきた、ものづくりの力と職人たちの力でした。
最後まで夢を捨てない・・・すばらしいデザインが人と人を結びつける、大きな希望を与えてくれる物語です。一読をお勧めします。

