マスクを外すべきか、付けるべきか、それが問題だ! マスクは日本人にとって何?

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2月23日は天皇誕生日の祝日でした。木曜日は外来がもっとも忙しい日なのでホッとしたところでした。天皇が63歳になられたのを祝して、抽選で選ばれた約4800人の国民が一般参賀に参加したそうです。天皇が皇居・宮殿のベランダに立たれて参加者に挨拶をされました。あらためて日本国民として天皇の誕生日と健康をお祝いしたいと思いますが、やや違和感がありました。

防弾ガラス越しの挨拶で一般市民との間は数十メートル離れている状態で、なぜマスクを付けたまま挨拶をするのだろう。政府のマスク着用のガイダンスからすれば、あきらかにマスクは不要と考えられる状況なのに、です。皇族の人々のマスク無しのお元気な顔、表情をしっかりみたいと思うのは私だけではないはずです。

多分宮内庁の人々がマスク着用をお薦めした(指示した)のでしょうが、コロナから開放された喜びを天皇および皇族がマスクを外して最初に表現して欲しいと願っても、一事が万事、とりまきの人々は官僚的な考えに執着しているようで、

「何かあったら(感染させたら、感染したら)どうするんだ症候群」

「国民へ間違ったメッセージが伝わったら困る病」

に陥った人たちの誘導は今後もしばらく変わりようがないだろうと危惧しています。この“症候群や病”は政府の感染症対策専門家会議からのコメントにも色濃く反映されているように思われます。どうも「科学に基づいた・・・・」対策が希薄のように感じられてなりません。

政府は313日にマスク規制をはずしその着用は個人の判断に委ねる58日にコロナ感染症を5類に引き下げるとアナウンスしています。

To live or to die, that is the question. 生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。英国の劇作家ウイリアム・シェイクスピアのあまりにも有名なことばです(実際はTo be or not to be, that is the questionらしいですが)。今回の話しはシェイクスピアのことばの解説ではないので、これ以上は深掘りしません。

いずれにしても To wear a mask or not to wear a mask, that is the question マスクを付けるべきか、外すべきか、それが問題ですね。

マスクの着用の是非が決着するのには大分時間がかかりそうで、正にネバーエンディングストーリーとなってしまいそうです。街頭のアンケートでは現時点では60%以上の人々が今後もしばらくはマスク着用を継続すると答えています。海外からのニュースではマスク着用反対デモも起こっており、いち早くマスクを外す人が体勢を占めています。

欧米と日本のマスクに対する意識の違いは何からきているのでしょうか。

心理学の専門家の解説では日本人を始めとする東アジア人の表情は「目元」に、欧米人の表情は「口元」に出やすく、顔の表情を読み取る際に、それぞれ目元、口元に注目する傾向が強いそうです。日本のことわざに「目は口ほどにものを言う」といわれているくらいで、目元さえ見えればマスクをしていても抵抗がないのが日本人なのかもしれません。

しかし聞こえや会話をあつかっている身にとっては、このマスクは大問題です。ことばが聞き取りにくくなり、人とのコミュニケーションがより難しくなります。とくに聴力が低下している聴覚障害者や高齢者ではわずか1ミリの厚さのマスクが10メートル以上の壁になっているのです。したがって高齢者では会話が少なくなり、嚥下障害や認知症の影響が危惧されています。

さらにマスク着用が常態化すると大きな弊害が予想されます。いくら目元だけ見えれば良いと言っても、顔の半分だけでは人との会話の際に相手の表情を読み取るのが難しく、うまく意思疎通できなくなります。とくに発育過程にある子どもたちにとって身体的、精神的な負担は大きく、長期的な健康への影響が懸念されます。集団生活を学んでいくのに顔半分をマスクで過ごすというのはどう考えてもいびつだと思いませんか。

マスクを外すべきか、付けるべきかを議論する際に忘れてはいけないことは、なぜマスク着用を始めたのかをもう一度思い起こすことだと思います。始めた理由がなくなれば外して良いことになります。3年前に新型コロナウイルス流行初期には、感染予防にマスクが有効であると推奨され、そのエビデンスもたくさん報告されました。その後オミクロン株に代わって、現時点では感染者数、重症者数も激減しています。では何故まだマスクを着用しているのでしょうか。もっとも大きな理由は“不安、感染する・させる不安”ですね。この不安は数値化できないのでやっかいです。だから政府も「個人の判断に委ねる」と“逃げてしまって”います。

コロナ禍におけるマスク着用の最大の目的は、未発症の感染者が、知らないうちに他人に感染させるのを防ぐことです。そうした状況がそもそも考えにくいほどに感染が落ち着けば、または、感染者が発生しても影響が乏しい状況になれば、マスク着用の意義は薄れていきますね。つまりその時にはマスクを外してしまってもあまり変化はなくなるでしょう。

マスクについてはこれ以上政府が関与しない方針?のようですので、人々の不安を払拭するために各地方自治体や個々の病院単位でなんらかの指針を創っていく必要があると思います。マスク・ネバーエンディングストーリーはなんとしても避けたいですね。

梅の花を見たくて久しぶりに鎌倉に出かけ、花寺とも言われている長谷寺を訪れました。

夕方からライトアップをしており、色とりどりの梅の花が薄暮の中でライトに映えて見事でした。

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