コロナ禍の水面下でうごめく千人計画

投稿日:

中国の「千人計画」をご存じでしょうか。
米国の対中規制がここ数年エスカレートしており、中国からの輸入が大幅に制限され、さらに最近はIT技術、科学、ワクチンを含めた医学情報の持ち出しを極めて厳格に取り締まっていることはメディアを介して知らされていました。しかし中国研究者に対する締め付けがここまできているか、と驚いたのは、8月に届いたニューヨーク州立大学小児科教授 ハワード・フェーデン教授からのメールです。
古い友人であるニューヨークのハワードやカナダ、ヴィクトリアのアランとは、定期的にメールのやりとりをしていますが、8月に届いたハワードのメールはパスワードロックされており、オープンできません。つまりパスワードを打ち込まないとメールが読めないのです。今まで一度もこのようなロックされたメールを送ってくることがなかったので、“?”と思いながら、あとで知らせてくれたパスワードを入れてメールを開いた。
ニューヨーク州におけるCOVID-19の悲惨な状況を述べていて、病院で診療や講義はまだほとんどできず、自宅待機でスタッフたちとはオンライン会議の状態とのこと。そのような環境でも複数の論文を執筆しており、いくつかは共同研究者の中国人を筆頭著者としていました。ところが、中国人研究者との共同研究はあいならん!とFBIから彼に直接警告がきて、中国人研究者は全員中国に強制帰国させられてしまったそうです。国の安全保障とはまったく関係ない小児感染症の研究であり、このような対応は理解できないし、このようなことを繰り返していると米国の科学研究のレベルが早晩低下してしまうと嘆くことしきり・・の文面でした。
彼はこのような私宛のメールもFBIのチェックを受けている可能性を考え、パスワードロックしたようです。その後も帰国した中国人研究者とは研究情報のやりとり(パスワードロックメールで)をしており、近い内に共同論文を書くと息巻いていました。
こんな事があり、研究者における米中衝突についてネット検索すると、出るわ、出るわ! その一部を紹介しましょう。
“米国の研究機関に堂々と巣食う中国のスパイたち”と題して
「最近、米国の大学や研究機関で「中国絡み」のトラブルが頻発している。2020年1月28日、米マサチューセッツ州の名門大学であるハーバード大学で、化学・化学生物学部長のチャールズ・リーバー教授(60)がFBI(連邦捜査局)によって逮捕された。ナノサイエンスの分野における世界的権威であるリーバーの逮捕容疑は、中国の武漢理工大学で研究所を設立するとして中国政府から約150万ドルを受け取っていた上に、毎月5万ドルの支払いを中国から受け取っていたこと。これらは当局へ報告の義務があるが、リーバーは捜査員に虚偽の説明をしたことで逮捕された。さらに5月には、オハイオ州のクリーブランド・クリニックで研究者をしていた中国系アメリカ人チン・ワンが、中国政府から研究助成金を受けて中国の研究施設で役職をもっていることを米国で虚偽申告したとして逮捕されている。」(JBpress, 山田敏弘)
逮捕された2人の研究者は中国の「千人計画」に参加していたようです。リーバ-教授はノーベル賞候補にも挙がっている著明な研究者であったことから世界中に衝撃が走ったとともに、中国の「千人計画」の深謀が見えてきて、参加者はもとより、参加してない科学者もなにか薄ら寒さを感じさせた事件です。現在、このような取り締まりは「チャイナ・イニシアチブ」として米国司法省により強力に推し進められています。

「千人計画」とは、中国で2008年に開始され、中国の発展のため国外にいる中国人科学者のみならず、世界の突出した研究者を確保する目的で活動しています。つまり「外国人研究者ヘッドハンティングプラン」です。この計画に参加している研究者はすでに1万人以上となっており、研究費以外に本職で得ている給料の3〜4倍の報酬を提供されているとのことです。さらに研究者にはこの計画への参加を極秘にすることを条件付けています。

このような計画は世界中の最新情報、最高知能の吸い上げのようで恐ろしく感じるのは私だけでしょうか。

コロナ疲れを癒やす写真による鎌倉巡り

夜風にゆれるのれん 鎌倉 松原庵
江ノ電「由比ヶ浜」駅から徒歩3分の古民家蕎麦屋

鎌倉 明月院(あじさい寺) 方丈の丸窓「悟りの窓」は四季折々の美しさを丸い額の絵画のように楽しめる。

-ふらふら日記

Copyright© つくば難聴めまいセンター , 2024 All Rights Reserved.