新型コロナウイルスワクチン、治療薬最新情報2 ~秋分の日特集~

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現時点での新型コロナウイルス治療薬、ワクチンの状況をまとめてみましょう。

治療薬

COVID-19に対する抗ウイルス薬の候補として、レムデシビル(ベクルリー®)、デキサメタゾン(デカドロン®)、ファビピラビル(アビガン®)、シクレソニド(オルベスコ®)、ナファモスタット(フサン®)、カモスタット(フオイパン®)、イベルメクチン(ストロメクトール®)などがあります。
このうち、レムデシベルは今年5月に日本でも承認され、デキサメタゾンは治療薬として承認はされていませんが、厚労省のCOVID-19「診療の手引き」に標準的な治療法として掲載されています。ファビピラビル(アビガン®)は早期の承認が期待されていた薬剤でしたが、ようやく申請までこぎつけ承認にあと一歩というところです。他の薬剤も現在臨床試験が進められています。イベルメクチンは大村智博士(ノーベル医学生理学賞2015年)が開発した抗寄生虫薬で、オーストラリアのグループが新型コロナウイルスの増殖を強く抑制したことを報告し、9月からCOVID-19への適応追加を目指して北里大学で治験が開始されました。

COVID-19重症患者の治療

サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応によりもたらされる重篤な臓器障害や呼吸不全が重症化の原因と考えられています。このサイトカインストームを抑制し、重症患者に対する治療薬として、関節リウマチなどに用いられている抗IL-6受容体抗体(アクテムラ®、など)やJAK阻害薬(ゼルヤンツ®、オルミエント®、など)などで臨床試験が行われましたが、いずれも単剤ではあきらかな有効性が証明されず、レムデシビル®との併用療法の臨床試験が行われています。

コロナ抗体薬

新型コロナウイルスに特異的に結合して増殖を抑える中和抗体の開発が活発に進んでおり、高い有効性が期待されています。しかし抗体薬は製造コストが非常に高いため、いかに安価に大量生産するかがポイントとなっています。
現在、イーライリリー(米)、リジェネロン(米)、アストラゼネカ(英)、グラクソ・スミスクライン(英)などが臨床試験を進めています。イーライリリーの抗体薬の第二相試験では軽症〜中等症患者の入院率を低下させたと中間解析結果を報告しており、早期の導入が期待されます。

ワクチン

現在COVID-19ワクチンは35種類が臨床試験に入っており(WHO, 2020.9.9)、ロシアのワクチン「スプートニク5号」が一般市民向けに承認されています(安全性と有効性に疑問の声あり)。
最終試験の第三相を行っているは、アストラゼネカ(英)、ファイザー/ビオンテック(米/独)、モデルナ(米)、カンシノ、シノバック、シノフォーム(中)の6社のワクチンです。いずれも年内には試験結果が判明すると考えられ、承認されれば2021年初期には一般市民への接種が開始できると期待されています。

日本はいつ頃から接種できるのでしょうか。

8月28日に政府で決定された新型コロナウイルスの「対策パッケージ」に、「来年前半までに全国民に提供できる数量を確保することを目指す」とワクチン確保の目標が初めて明記されました。全国民分、つまり1億2000万人余りの分を来年前半までに確保する予定のようです。
国内からの調達はまだかなり時間がかかりそうで、海外の製薬会社からの購入が主体となるようです。
今までの交渉では、

  • ファイザー社(米):2021年6月までに1億2000万回分
  • アストラゼネカ社(英):2021年初頭から1億2000万回分
  • モデルナ社(米):2021年上半期から4000万回分

で合意を得ていると報道されています。1人に2回接種することから、上記3社から1億4000万人分(日本の人口分をほぼカバー)を確保する予定です。合意が確実に履行されれば、来年の夏頃までには接種が開始される予定ですが、もっとも問題となるのは、ワクチン接種に伴う副作用の補償です。海外製薬会社との交渉で健康被害が出た際の責任を誰がとるのか、誰が補償を行うか、という点がもっとも大きな問題となりました。最終的に副作用の損失は日本政府が補償することとし、ワクチン供給を受けるまでに法整備を行うこととなったようです。
国内のワクチン開発は海外に比較するとまだ遅れていますが、政府から国内6社(武田、塩野義、アストラゼネカ、アンジェス、KMバイオロジクス、第一三共)に約900億円の補助が出ており、研究開発と生産設備の整備を後押ししています。新型コロナウイルス感染は今後毎年発生する可能性もあり、海外からの1回の購入だけで済むとは思われません。そのためにも国内コロナワクチンメーカーを育てることが日本の浮沈にかかわる重大事項だと思います。

日本画家 千住博の代表的なモチーフである「滝Waterfall」
2018年に世界遺産 高野山金剛峯寺に千住博の襖絵と障壁画が奉納された。
このお気に入りの絵画は和歌山―藤沢―鎌倉―守谷・・・と長い旅をしている。

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