睡眠時無呼吸症候群

いびき、日中の眠気、息切れなどでお悩みの方に

夜間にグッスリ眠れないことはよくあることですが、このような状態が持続すると日中に眠気が強く、仕事中や講義中に居眠りをしがちです。この居眠りも机の上で・・・であれば良いのですが、運転中に居眠りをすると大きな事故がつながる恐れがあります。

さらに呼吸が止まったり浅くなるために血液中の酸素が少なくなり、脳や心臓に障害をきたす恐れもあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠中に頻回に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態(睡眠呼吸障害)のために質の良い睡眠が取れず、日中に強い眠気や疲労などの自覚症状をともなう病態を睡眠時無呼吸症候群(SAS, sleep apnea syndrome)と呼びます。

米国の調査では、健康な人に比べて睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、高血圧が2倍、心臓病が3倍、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患が4倍、糖尿病が1.5倍起こりやすいと報告されています。

守谷慶友病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では質問票に答えていただき、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングを行っています。

症状テストで2点以上、眠気テストで合計11点以上の方は睡眠無呼吸障害が疑われます。

下記に当院で使用している質問票をご用意いたしました。
こちらをチェックしていただき、ご自分が現在睡眠時無呼吸症候群かどうかを目安として確認じこ

自己採点が高すぎる等、ご心配の方は当院までご相談ください。

  • 若い頃より体重の変化がありますか?
□変化なし、□変化あり(    kg 増・減)
  • 以下の病気にかかったことがある、または現在治療中であればチェックを入れてください。
□高血圧 □糖尿病 □ 脳出血 □脳梗塞 □心筋梗塞・狭心症 □不整脈

質問—1 症状テスト

なし〜たまに しばしば〜毎日
いびきをかくと言われる 0 1
呼吸が止まっていると言われる 0 1
ぐっすり眠った気がしない 0 1
集中力が低下している 0 1
日中の眠気・だるさがある 0 1
合計
総合計     点 2点以上の方は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

質問—2 眠気テスト

日中の眠気について 当てはまる番号に○をつけてください。

うとうとする可能性
ほとんどない 少しある 半々くらい 高い
座って、読書をしている時 0 1 2 3
テレビを見ている時 0 1 2 3
人が大勢いる場所(会議・映画館)で座っている時 0 1 2 3
午後、横になって休憩している時 0 1 2 3
座って人と話しをしている時 0 1 2 3
昼食後、静かに座っている時 0 1 2 3
他の人が運転する車に同乗している時 0 1 2 3
自分で運転中、渋滞などで数分間止まって いる時 0 1 2 3
合計
総合計     点 11点以上の方は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

睡眠時無呼吸症候群の診断

簡易検査(簡易無呼吸モニター)

SASのスクリーニングとして重要です。患者が自宅で就寝時に測定を行い、翌日、USBメモリーに記憶された測定データを解析します。AHI (無呼吸低呼吸指数)、無呼吸のタイプ(閉塞性,中枢性),酸素飽和度低下指数 (ODI) 、いびきの程度、などの結果が得られます。

Philips.co.jp ウォッチパットによる簡易無呼吸検査

PSG(終夜睡眠ポリソムノグラフィー、Polysomnography)

SASの確定診断にゴールドスタンダードな検査です。PSG検査では睡眠の評価として脳波、眼球運動、オトガイ筋の筋電図を、呼吸評価として鼻口の気流、胸郭の呼吸変動、動脈血酸素飽和度、いびき、その他,心電図,全脛骨筋の筋電図など各種生理現象を客観的に評価します。PSG検査のために病院に1泊入院する必要がありますが、SASの正確な診断が可能であり、治療方針を決定する上で最も重要な検査であります。

1時間当たりの無呼吸+低呼吸の数値(AHI)は

  1. 正常   0~4
  2. 軽度   5~14
  3. 中等度  15~29
  4. 重度   30~
いびき・睡眠時無呼吸症候群の診断の流れ

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療・対策は以下のものが重要です。

  1. 生活習慣の改善:アルコールの禁止、側臥位での就寝
  2. 肥満に対する減量療法:食事療法、運動療法:体重10%の減少で無呼吸指数(AHI)が26%減少したという報告(米国)があります。
  3. 睡眠時体位:側臥位で睡眠するといびき、無呼吸が改善します。
  4. 口腔内装置:マウスピース(スリープスプリント)が有効な場合があります。
  5. CPAP療法:持続的陽圧呼吸療法
  6. 外科的治療:口蓋垂口蓋咽頭形成術、当科では痛みが少ないMK-手術(前方口蓋形成術)を行って、良い成績を得ています。

睡眠時無呼吸症候群の重症度レベルおよび年齢、肥満度によって上記のいくつの治療法・対策を組み合わせます。

  • 軽度OSAS: 1+2
  • 中等度OSAS: 1+2に4、5、6のいずれかを追加
  • 重度OSAS: 1+2に5、6のいずれかを追加
CPAP(シーパップ)(持続陽圧呼吸療法)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は上気道の閉塞によって発症する睡眠障害です。CPAPとは弱めの圧力を加えた空気によって上気道の閉塞を取り除く治療法です。CPAP呼吸器は圧力の空気をホース・マスク着用によって鼻から送り込む装置であり、睡眠時にシーパップ装着が必要です。

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