夏は子ども達がウイルス感染症にかかりやすくなりますので注意が必要です。
手足口病
現在全国的に大流行しています!
2歳以下の子どもを中心に夏に流行するウイルス感染症です。口の中、手のひら、足底や足の背などに2〜3mmの発疹や水疱(水ぶくれ)ができます。
国立感染症研究所ホームページniid.go.jpより
発熱をともなうことがありますが、あまり高くならず数日中に治ります。ウイルス感染ですので抗生物質は必要なく、経過を見て良い病気ですが、息苦しいと訴えたり、元気がなくぐったりしているような場合には医療機関を受診して下さい。
以下のような感染経路による集団感染に注意が必要です。
- くしゃみや咳によって患者のウイルスを吸い込んで感染
- 患者が触れたドアやおもちゃなどに触れてウイルスが手に付着し、その手で目、鼻、口に触れて粘膜から感染
- 感染後2〜4週間にわたり便にウイルスが排泄され、トイレやおむつ替えの後で手を十分に洗わないと、その手から目、鼻、口の粘膜に感染
プール熱(咽頭結膜熱)
子どもにかかりやすい病気ですが、子どもから親にも感染します
7月〜9月のプールに入る時期に流行することからプール熱と呼ばれているアデノウイルス感染症です。
症状は発熱とのどの痛み、目の充血が特徴です。
- 38〜40℃の発熱から始まる
- のどの痛み、目の充血、目やにが出る
- 咳、くしゃみ、鼻水、首のリンパ節の腫れなどをともなうことあり
- 大人がかかった場合には、子どもよりも症状は軽く夏かぜに似ている
治療はウイルス感染のため抗生物質は効果ありません。のどの痛みが強く、高熱の場合には鎮痛解熱剤を処方します。のどの痛みのため食事や飲み物が取れないことが多いため、脱水になりやすいので水分摂取が重要です。のどに刺激が少ない湯冷ましやイオン飲料水などがお勧めです。
登園や登校の時期は、発熱などの症状が治癒した後、2日たてば可能です。
プール熱の家庭内感染予防
家族がプール熱にかかった場合には、兄弟や親への感染を防ぐためにしっかりとした予防対策を行う必要があります。
- トイレの使用後の便座や手すりの消毒
- 食器やタオルを共有しない
- 消毒は次亜塩素酸ナトリウム(トイレの便座など、市販の塩素系漂白剤の容器の記載から作ることができます)や消毒用エタノール(手指の消毒)を使う
ヘルパンギーナ
乳幼児や子どもを中心に夏に流行するウイルス感染症で「夏かぜ」とも呼ばれます。す。突然非常に高い発熱(38〜40℃)が出ることが多く、この高熱が長く続く傾向があります。のどに水疱や水ぶくれができ、のどの中心にある口蓋垂周辺が赤く腫れて、食物を食べるときに強いのどの痛みをともなうことが多い。高熱のため全身倦怠感や関節の痛みもともないます。
治療はウイルス感染のため抗生物質は効果ありません。のどの痛みが強く、高熱が続くため鎮痛解熱剤を処方し、家で安静に過ごしてもらいます。のどの痛みのため食事や飲み物が取れないことが多いため、脱水になりやすいので水分摂取が重要です。この際に酸味のあるジュースなどはのどにしみて痛みが増すため避けた方が良いでしょう。湯冷ましやイオン飲料水などがお勧めです。
夏のウイルス感染症は家庭内感染予防が大事です!
ウイルス感染症は子ども同士、子どもから大人へと感染がうつることが多いので感染予防対策が重要です。
ウイルス感染症の予防は「手洗いに始まり手洗いに終わる!」と言われるほど、徹底的な手洗いが重要です。
- 外出から帰った時、食事の前、トイレに行った後に手洗いを習慣づける
- 洗うときは手指の間や手首まで良く洗う
- 洗った後に手を拭くタオルは使い回しをせずに、清潔なタオルを頻繁に交換する