室内でもまぶしい、目が乾く感じがする、または顔や目のまわりがピクピク動く、こんなことはありませんか?
歳のせい、疲れているだけと思い込んでいませんか?
もしかしたら治療の必要な病気が隠れているかもしれません。
片側顔面けいれんによくみられる症状
片側顔面(へんそくがんめん)けいれんってどんな病気?
Dr.山中
自分の意志に関係なく、顔の片側の筋肉がピクピクする病気です。
顔面神経は、目をつぶったり、口の開け閉めや笑うときに使う筋肉を動かす神経です。
通常、この筋肉は自分の意志で働きます。ところが、この病気の場合、顔面神経が何らかの原因で隣り合っている血管に刺激され、自分の意志に関係なく目のまわりや口・ほお・あごの筋肉が動いてしまいます。
中高年の女性の多く見られます
片側顔面けいれんは、50~70歳代の、特に女性に多く診られる病気です。 女性のかかる割合は、男性よりも多いといわれており、約7割が女性です。 片側顔面けいれんは、ほとんどの場合、顔の左右片側、どちらかに起こる病気です。放っておいても、自然に治る病気ではありません。脳神経眼科学会眼瞼痙攣診療ガイドライン委員会、日眼会誌 2011:115:617.628 若倉雅登 日眼会誌 2011:115:617.628
片側顔面けいれんの主な症状
- 初期には:主に顔の片側の目の周囲、口がピクピクします。
- 進行すると:症状が頻繁に起こり、目の周囲や口、ほお、あごの筋肉がひきつります。
片側顔面けいれんの特徴
- けいれんは癌研より始まり、進行すると他の顔面筋にひろがります。
- 多くは片側性であるが、両側性のこともあります。
- 眼瞼けいれんを合併することがあります。
目崎高広ほか、ジストニアとボツリヌス治療(改定第2版) 診断と治療社、東京、2005:188.213より作成
症状が出やすいのはこんな時!
- 緊張している時
- 食事の時
- 笑った時
- 人と話している時
似た症状には、こんな病気もあります
眼瞼けいれんと片側顔面けいれんの症状はよく似ていますが、その他にもこれらと似ている病状を示す病気がいくつかあります。
眼瞼ミオキミア
疲れや睡眠不足などがきっかけで、左右片側の上または下のまぶたの筋肉の表面がピクピクしますが、やがて症状は消えます。
ドライアイ
まぶしい、目が乾くなどの自覚症状が眼瞼けいれんと一見似ています。しかし、眼瞼けいれんはドライアイの治療では治りません。
開瞼失行症
いったん閉じたまぶたを開くのが困難になる病状がみられます。眼瞼けいれんと合併することが多い病気です。
チック
片側顔面けいれんと同じようなまばたきや顔しかめなどの症状が出ますが、自分の意志でコントロールでき、けいれんの場所が移動するのが特徴です。