声の老化

「声」も老化するのでしょうか

最近、「声がかれてきた」、「長話をすると疲れる」、「カラオケで思ったように声が出ない」、「以前のような高い声がでない」、・・・などとお悩みの方はいませんか。加齢に伴って声の変化を経験している方が多いと思います。このような声の変化の主な原因は “声の老化” によるものです。

首ののど仏の後ろに位置している「声帯(せいたい)」が振動して、「声」が出ます。この時に、肺から息をはき出して声帯のすき間を空気が通過し、声帯が振動して声になります。したがって、声が変化する原因は「声帯の変化」と「通過する空気の減少」が考えられます。空気の減少は肺活量が低下すると起こりますが、健康な方では老化によって肺活量の低下は急激におこることはありません。声の変化の大きな原因は声帯の変化なのです。声帯は声帯筋によって動きますが、残念ながら年をとると身体の筋肉が衰えるように、声帯の筋肉も衰えます。この筋肉の衰えはホルモンの減少によっても増強されます。つまり“声の老化”の原因は声帯筋の筋力低下とホルモン減少です。内視鏡でみると、「声が出にくい」「声がかれる」という患者さんの声帯は、細く萎縮していることが多いようです(写真では一側の声帯が萎縮しています)。

声の老化のチェック法

息が苦しくなるまで「あ〜〜」と声を出し続け、それ以上声が出ないまでの時間を計ります。

男性で15秒以上、女性で12秒以上が正常で、男女ともに12秒以内に声が出なくなるような場合には「声の老化」、すなわち声帯の萎縮が進んでいると考えられます。

声の老化を予防する方法

  1. 声帯筋のトレーニング⇒積極的に発声する(声を良く出す)ことが大切で、声を大事にするために喋らないようにするのは逆効果です。
  2. 空気を多くはき出す⇒腹式呼吸をして、多くの空気を吸ったりはいたりします。
  3. 息こらえをして声帯をしっかり閉じるようにします。

日経新聞 2010/04/21

老化した声を治療する方法は・・・

萎縮した声帯に脂肪細胞やコラーゲン液を注入して、元の厚さの声帯に戻してあげる手術が行われます。声帯筋の筋力をもとに戻すことは難しいのですが、発声するときの声帯のすき間を少なくすることにより、息漏れや声がれを改善させることが可能です。守谷慶友病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では日帰り手術により声帯コラーゲン注入術を行っています。

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