気を付けよう!夏の病気「熱中症」

高温多湿、暑さによる食欲低下や寝不足などから、高齢者では熱中症や脱水症にかかりやすくなります。
夏真っ盛りの8月に入り、他の季節とは異なる病気に注意してください。

熱中症はなぜおこるのでしょうか?

私たちはエネルギー源である色々な食物を食べて熱を発散しています。人間は外気温に従って体温を変える変温動物ではなく、一定の体温を維持する恒温動物ですので、体温の上昇を防ぐために余分な熱を捨てなければなりません。この熱を捨てて体温を下げるもっとも重要な役割を担っているのが血液です。温められた血液が全身に回り、体の皮膚表面の直下を走る無数の毛細血管を流れる途中で冷やされて、体温が下がります。
余分な熱を捨てられず、体温が上がってしまう原因としては、

  1. 脱水症
    熱を捨てる役割を担っている血液の量が減ってしまうので体温が上がってしまいます。
  2. 高温多湿
    からだの熱排泄機能を上回るほどの高い外気温や湿度の状態では、十分にからだが冷えないため体温が上がってしまいます。 
  3. からだの体調
    低栄養状態、睡眠不足、二日酔い、などで体調が不良な場合  に高音多湿の環境に居ると熱の排泄機能が十分に働かないため、体温が上がってしまいます。
  4. 激しい運動や長時間の屋外作業
    高温多湿環境で長時間作業したり激しい運動を行うと、脱水と熱排泄機能を上回る環境要因のため、容易に体温が上がってしまいます。
  5. 高齢者や肥満
    体温の調節はからだが暑いと感じることから始まりますが、高齢者では外気温が上昇してもあまり暑く感じなくなることもあります。このような場合には体温調整機構が働かな  いため、容易に体温があがってしまいます。また太って皮下脂肪が多くなると熱の発散がしにくくなります。

発熱と熱中症の違いは?

風邪やインフルエンザなどの感染症の際に熱が上がりますね。この発熱と熱中症は違うのでしょうか。風邪やインフルエンザなどで体温が上がるのは、発熱により原因となるウイルスを殺すためなのです。ウイルス感染が起こった際に防御反応として私たちの脳が体温を上げてウイルスの増殖を防ぎます。したがってこのような場合に解熱剤で安易に体温を下げてしまうのは、からだの防御反応を弱めてしまうのでダメだとわかりますね。一方、熱中症の場合には、私たちの脳は体温を平熱に維持しようしているにも関わらず、上記の1〜5の原因で余分な熱を捨てられず体温が上がってしまう状態です。

(環境省主催「平成29年度熱中症対策シンポジウム」より)

熱中症の予防

熱中症環境保健マニュアルより

熱中症の症状と応急処置

熱中症対策のポイントは「意識の有無」と「自力で水を飲めるか」です。ペットボトルを渡して一人で水を飲めるか確認し、うまく飲めなければ意識障害があると判断しなければなりません。(熱中症II度)

  症状 治療
Ⅰ度 めまい、立ちくらみ、生あくび
大量の発汗
筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
意識障害を認めない
応急処置と見守り
● 冷所での安静
● 体表冷却
● 経口的に水分とナトリウムの補給
Ⅱ度 頭痛、嘔吐
倦怠感、虚脱感
集中力や判断力の低下
医療機関

脱水症と脳梗塞

脳卒中(脳出血や脳梗塞)は冬に多い病気と考えられがちですが、夏にも多く発症しますので注意が必要です。

冬は外気が寒いためにからだの熱を発散しないように血管を収縮し血圧が上がり、脳出血やくも膜下出血が多く発症します。しかし、夏は体内の余分な熱を発散するために血管が拡張して血圧が下がります。さらに多量の発汗などにより脱水がおこり血液量が減少するため、脳血管が詰まりやすくなり脳梗塞を起こしやすくなるのです。 以下のような症状があったら脳梗塞の前触れ(一過性脳虚血発作)を疑ってください。

  • 言葉が出にくくなる
  • ろれつが回らなくなる
  • 片方の手足に力が入らない、しびれがおこる
  • 片方の目に膜がかかったように見えなくなる
  • 口を上手く閉められない、顔にゆがみが出る
  • めまい
  • ふらついて歩けない

このような症状は通常数十分、遅くても24時間以内に消えることが多いのですが、脳梗塞の初期症状の可能性が高いので、医療機関を受診して精密検査が必要です。

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