ボトックス治療

インターネットで「ボトックス」と検索すると、美容皮膚科、美容形成外科などのクリニックによる顔のシワ治療の紹介がたくさん出てきます。

ボトックスはボツリヌス菌という非常に強い毒をもち、食中毒を引き起こす微生物から抽出されたタンパク質です。このタンパク質は食中毒などをおこすことはなく人体に無害の物質ですが、筋肉を動かすときに神経から分泌される「アセチルコリン」という物質の作用を弱める作用があります。したがって筋肉が緊張している部分や筋肉が痙攣している部分にボトックスル注射すると、筋肉の緊張や痙攣が抑えられ、筋肉はリラックスした状態になります。

このようなボトックスの働きを利用して、筋肉の活動亢進によっておこる顔面チック、斜視、斜頸などに対して世界的に用いられており、日本では1997年に眼瞼痙攣、片側顔面痙攣に対して厚労省の認可が得られています。

ボトックスによる効果は注射後2,3日後にあらわれ1週間後には効果を実感できます。ただしその効果は3〜4ヶ月で失われますので、持続的な効果を期待する場合には少なくとも4ヶ月毎に注射する必要があります。さらに注射する量や部位により不必要な効果があらわれることがあるので、両薬剤の使用講習を受け、安全性や実技を十分に理解した講習修了認定医のみがこの治療を行うことができます。

ボトックス®が有効な疾患(健康保険が適用されます)

    1. 眼瞼痙攣(ガンケンケイレン):まぶしい、目が乾く、目の周囲がピクピク痙攣する、などの症状がおこり、両方に発症し進行性です。
       
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    2. 片側顔面痙攣(ヘンソクガンメンケイレン):自分の意志に無関係に、片側の顔がピクピク痙攣したり、引きつったりします。最初は片目のまぶた周辺が時々痙攣したりしますが、進行すると同じ側の顔がにも痙攣がでるようになり、顔が引きつってゆがむというような症状もでるようになります。
       
      片側顔面けいれんの詳細はこちら

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    3. 痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、重度の原発性腋窩多汗症

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