医療法人 慶友会

復元力

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4月に誕生日を迎えまた年を重ねたが、人生を登山に例えると今自分は山のどの辺にいるのだろうか。他人からみたらもう頂上をすぎて下り坂だよと言われるかもしれない。まあ、どこにいようと若い頃に比べたら大分眺望は良くなってきたことは確かだ。つまり回りがよく見えるようになってきたのではないだろうか(自分勝手にそう望んでいるが)。

選択肢の数と年齢は逆比例すると思っている。人生の選択肢をたくさん持っているのは若さの特権であろう。しかしいくら選択肢がたくさんあっても結局選ぶのはたった一つだ。例えそれが正しかろうと、あるいは間違っていようと。年を経るにつれて選択肢は以前よりも絞られてきたように思う。それが肉体的な限界からなのか、広い眺望によってやみくもに多くの選択肢を考える必要がなくなってきたためなのか、・・・私自身は後者と考えている(考えたい)。

誕生日といえば長く付き合っている友人に4月生まれが多い。私のカナダ外科レジデント時代の恩師、Drアラン・ルーピン、チューリッヒの小児科医、Drデービッド・ナダール、達だ。デービッドは私より少し若いが誕生日も同じだ。私の留学時代の苦労を知っているアランからは常にNever give up!と、ニューヨークで一緒に研究を行ったデービッドからは、他人がどのように考えようと、自分が正しいと思った方向を選んで進めば後悔はしない、と勇気づけられた。4月の誕生日を迎えると、アランの温かい言葉とまなざしにホッとし、他人に対するデービッドの厳しく時に刺さるような辛辣な評価にドキッとしたことを思い出す。

明日からまた新しい年齢を歩んでいくうえで、レジリエンスをさらに強めたいと願っている。日本語で「復元力、折れない心」と訳される言葉だ。人生にはその大小に関わらず挫折や苦難はつきものだ。このような「心が折れそう」なときに私が大切にしている「3KAN」を紹介する。

レジリエンスを鍛えるために大切にしている「3KAN」

  1. あらゆることに関心(KANSIN)を持つこと、
  2. 感動(KANDO)する柔軟性をもつこと、
  3. そして感謝(KANSHA)する心をもつこと

病院のスタッフが贈ってくれたM-KENTケーキ・・感謝、ああ感謝!
(M-KENT: Moriya-Keiyu Ear Nose Throat、守谷慶友病院耳鼻咽喉科)