コロナ禍のさわやかな涼風その2 ~息子と同じ年令のスピーカーで、60年前のジョアン・ジルベルトを楽しむ~

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5月の連休は毎年小旅行を楽しんだものだが、コロナ禍の連休はどこにも行けずやはりストレスがたまる。Stay Homeで楽しめるのは読書と音楽だ。これにうまい珈琲があれば文句は言えない。

珈琲家

エチオピア・ゲイシャというコーヒー豆を以前に紹介したが(「休日の朝の楽しみ・・」を参照)、これを手に入れるためには流山おおたかの森まで高速を走らなければならない。最近地元守谷市に「自家焙煎の店 珈琲家」を見つけ足繁く通っている。たまたま治療に行った歯科クリニックから出たらその真ん前に小さな店があり、それが「珈琲家」であった。本当に小さな店でほとんど見逃してしまうような場所と大きさだ。入ってみるとコーヒー豆の樽が所狭しと置いてあり、注文するとそれから焙煎するので30分ほど待たなければならない。高齢のご夫婦が営んでおり、奥さんが受け付け、注文の豆をご主人が焙煎する。私のお薦めは、「樹上完熟」(とてもバランスがとれており飲みやすい)、「モカゲイシャ」(ゲイシャ豆特有の香りと味がすばらしい)、だ。最近はさらに「エメラルドマウンテン」に興味を引かれている。前2者に比べてやや高価だが、深い味わいと素晴らしく芳醇な香りを持つコロンビア産の高級豆だ。連休の朝はこの豆で始まる。

読書

お薦めの小説は「コロナ禍のさわやかな涼風ーその1」で紹介した「ザリガニの鳴くところ」だ。この連休の楽しみは大阪の次男が4月の誕生日祝いに送ってくれた「コロナのせいにしてみよう」国松淳和著(金原出版)、「弱いロボット」岡田美智男著(医学書院)の2冊だ。興味深いのはいずれも医学系出版社から出版されており、このような一般向けの内容の書籍を出版するようになったかと驚いている。その内容についてはまたあらためて紹介しよう。

音楽

良く聴くジャンルはジャズだが、バイオリンやチェロの弦楽クラシックも疲れた身体を癒やしてくれる。いわゆるオーディオマニアではないが、いつも音楽は良い音で聴きたいと思っており、年代的にオーディオ変遷を経ている。昔から良い音を聞くためにはオーディオシステムの下流から良い機種を揃えるべきだと言われている。つまり予算が限られている(無制限の予算なぞ望むべくもない!)のであれば、(下流)スピーカー、アンプ、デジタルコンバーター(DAC)、レコードプレーヤーなど(上流)の順に予算を多く配分すべきなのだ。オーディオはお金をかければかけただけの良い音が得られ、オーディオ雑誌には数十万から数百万の機器がこれでもかと載っている。さらにメーカーの御用評論家がそれらの機器がなんと素晴らしい音を聴かせてくれるかと褒めちぎっている。しかし庶民には高嶺の花で、そんなものはとても揃えられない。ほどほどに折り合いをつけて、音ではなく、「音楽」を楽しめれば良いのだ。若い頃はスピーカーを自作して、大作をものにして楽しんでいたが、度重なる引っ越しで「こんな大きなものをどこに置くの? 引っ越し代がかかってしょうがない!」との奥方のお言葉であえなく処分。最近は身の丈にあった小型スピーカーと引っ越しにも耐えるアンプで折り合いをつけている。

しかしうれしいことに日本の職人技はオーディオの世界にも残っており、三男と同じ年(26年前)に生産されたすばらしいスピーカー(三菱電機製 ダイアトーン)がまだ手に入るのだ。オーディオの中で電気的な構成要素の少ないスピーカーは年代による差異は少ないと言われている。とくにスピーカーユニットやキャビネットの出来は20年前の職人の技がきっちり生かされており、音楽を愛する所有者に大事に使われていれば、びっくりするくらい状態のよいものが手に入るのだ。

連休の朝は、「イパネマの娘」などの曲で有名なボサノバ歌手ジョアン・ジルベルトが27歳のとき、実に60年前に録音したボサノバのLPレコード「CHEGA DE SAUDADE, 想いあふれて」だ(ジルベルトは2019年に88歳で死去した)。ダイアトーンからきこえる蝸牛に浸み入るボサノバに、嗅覚をたまらなく刺激するエメラルドマウンテンの芳醇な香りが相まって、至福の時だ。

1959年録音、ジルベルトが27歳のときに発表されたアルバム「想いあふれて」
ボサノバの生みの親であるアントニオ・カルロス・ジョビンがジルベルトの才能に惚れ込んで多くのボサノバ曲を提供した。

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