週末の朝にエチオピアゲイシャ珈琲とメル・トーメのバラードを楽しむ

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今年のゴールデンウィークは新型コロナウイルス感染のため、ステイホームウィークだ。朝早く目覚めると初夏を思わせる青空が目にまぶしく“コロナめ!”と嘆くが、目に見えぬ相手にむなしさだけが残る朝だ。こんな朝はとっておきのうまい珈琲と音楽に浸るのが一番! ちなみに「珈琲」と書いた方がおいしく楽しむコーヒーのイメージが強いので(私だけ?)、使い分けている。顔を洗っているときに、エチオピアゲイシャ豆はまだ残っていたかな?と不安になり、階段を駆け下りキッチンの冷蔵庫を確認。あった!早速珈琲を淹れる。

コーヒー豆は産地や関連する地域名にちなんで名前をつけられることが多い。コーヒーの代表格であるモカも、アラビア半島のイエメンにある港町モカに由来している。世界の代表的なコーヒー豆産地であるイエメンやエチオピアの豆がモカ港から世界に輸出されたので「モカ」と呼ばれている。よく飲まれるモカ・マタリはイエメン産、モカ・イルガチェフはエチオピア産の豆だ。

エチオピアゲイシャはエチオピア南西部のジャングルにあるゲシャ村およびその周辺で栽培されたゲイシャ種のコーヒー豆である。非常に繊細で希少品種のため手に入れにくいのが欠点だが、透明感があり上品な香りと味は飲んだ瞬間に他の豆とは違うと感じる。ささやかな贅沢だが、この時期に初夏の青空の下でステイホームをしている自分に対する褒美と考えたい。

もう一つの贅沢は音楽だ。1ヶ月前にそれまで契約していた音楽配信サービスのSpotifyとApple musicを解約し、Amazon music HDと契約した。HDとはhigh definition の略で、今までの音楽が比較的遅い伝送速度のネットワークでも大丈夫なように容量が少ない圧縮した音源であったが、HDは圧縮しない音源で今までの音楽の2倍以上の音質を保っているという。さらに6,500万曲をカバーしており、見つからない曲はほぼないといううたい文句に乗ってしまったのである。Amazon music HDから配信される高解像度(high resolution)の音楽は、私のような加齢耳(蝸牛)でもSpotifyやApple musicの圧縮音源との差は歴然とわかり、もう以前の音に戻れないと感じている。

今朝はお気に入りのジャズシンガー、メル・トーメを検索するとあっと言う間に、10個以上のアルバムがリストアップされた。メル・トーメは米国シカゴ生まれで、フランク・シナトラと並び称される白人ジャズボーカリストだ。しかし、フランク・シナトラがジャズ、ポップ音楽と広く一般受けし米国を代表する大歌手の地位を勝ち取ったのに対して、メル・トーメはジャズの世界でのみ認められたマニア好みのシンガーと言える。黒人ジャズシンガーのようなアクのある濃い歌声ではなく、ソフトでビロードな声なのでジャズにはやや不利と言われたが、それを圧倒的な歌唱技術を駆使しジャズの味を高め、耳の肥えたジャズラバーの心を掴んだと評されている。数あるアルバムの中から 「mel torme sings for lovers」のアルバムを楽しんだ。この中で“I’m glad there is you”の曲はその歌詞が素晴らしく大好きだ。その一部を紹介しよう。

In this world of ordinary people, extraordinary people
I'm glad there is you
In this world of over-rated pleasures
Of under-rated treasures I am glad there is you・・・・・

この世の中には普通の人もいれば、普通でない人もいるけれど、君に出逢えて私は嬉しい。この世の中は快楽を過大評価したり、大切な宝を過小評価したりするけど、君がいてくれて私は嬉しい・・・・・

で始まり、メル・トーメがしっとりと歌っている。とても味わい深い歌だ。
COVID-19感染でストレスフルな時期に、このように家族とともに元気で幸福な生活を送れることをあらためて感謝する気持ちと時間を持ちたいと思っている。

アルベロベッロ(イタリア)の夕闇(NY, 2007撮影) とんがり帽子屋根のトゥルッリから家族の営みの光がもれてくる

メル・トーメの若い頃よりも、年を重ねたやや太く落ち着いた声が好きだ

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